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最後まで終わりました.面白かった.そして充実していた.そして食欲が低下して,テンションが上がらない.今までこれほどに胃薬が欲しくなるシナリオに出会ったことはなかった.一気に終わらせたので記憶が朦朧としている.想像以上に長くてメモを取るのも途中から諦めた.セリフ一つ一つの重さより,セリフの流れで形成される人物像を追う方が面白いかもしれない.
小春ルート感想
正義感の強い女の子.主人公を投影したような少女.雪菜と違い弱みを明かしたり,当たり障りのない発言をしたりはしないが,同じくらい愛が重い.かずさと違い積極的で戦略的だけれど,反抗的なところが似ている.一番独占欲が強いビッチの印象.逆にそう呼ばれるようになってからビッチになった.主人公が弱っているところを攻撃する流れは同じだけど,いきなり肉体関係で解決する展開にならなくてよかった.いろいろと.彼女は他ルート同様に主人公の慰め役ではあるけれど,小春自身が追いつめられる形になり,主人公が責任感や愛を思い出していく.それと同時に小春が小悪魔にかわっていく.雪菜の誕生日パーティーのメールを消していることが分かったときは震えた.「私はわかっている」というような,大人びていて見下す態度がかわいい.序盤の校門で見下された態度を取られたときにイライラしていて,大人になりたい願望が強いのかもしれない.小春ルートは共通ルートの保管シーンが多かったり,雪菜を完全に諦めさせたり,特有のルートで面白かった.小春ルートは一番円満に終われるルートかもしれない.ただ小春が追いつめられていく過程で胃がものすごくキリキリして不快.クラスメイトが陰湿なのはよくあるけど開き直る強さがあり,掃きだして集めた弱さを主人公に見せつける.そんなところを見せられたら庇護欲が爆発してしまうのは当然だろう.イノセント要素も多くていい.二重で略奪,年下,バイト先(プレイ)の3点がぐっときた.彼女は頭がきれるので,そういった要素を自ら武器として使っているような気がする.2部の中ではベットプレイも一番変態な気がする.過剰なまでの友達思い.友達思いすぎるために一年を棒に振る決断力がかっこよすぎる.絶妙な因果を背負っているところも面白い.主人公の彼女であり,主人公の元カノの弟の好きな人が小春.だから小木曽家に対して一気に攻撃していて,苦笑い.
雪菜ルート感想
サブヒロインのシナリオを読んでいる間,心の形が複雑のように思っていた.実際のところは好きだけど自分からは絶対に歩み寄らない.どこかのかぐや様のように,自分は安い女ではないという自覚とプライドをもっている.雪菜はそこまで愛が深くない.誰かとの関係性が崩れるならば干渉しない.というのが感想.原因は3年前のトラウマや,主人公が相も変わらず受け身体質であることにある.サブヒロインに背中を押されて初めて引っ付く.実際は相当に愛が重いのだが,保管を見ないと気づくことができないようになっている.雪菜は完璧な回答を(みんなが幸せを)得るため時間をかけて考え,慎重に行動しているので,一部におけるかずさのようなポジションになっている.しかし慎重な行動が効果的ではなかったのが難儀だ.時間を重ねるごとにかずさへの愛を薄めようとしている主人公(→意識するために忘れられない),かずさを忘れることで妥協案,責任としての雪菜の選択を決断する.直接興味を持たせようと行動しているわけではないのが個人的に好感をどうしても持てない.歌を歌えなくなる話は,自分にあてはまる節があるためにボロボロに泣いてしまった.トラウマを忘れて問題に向き合おうとしているのに当の主人公はトラウマになっている歌が好きだというのだから残酷である.雪菜の恋をアシストする人たちがサブヒロインであることも残酷.告白されてもなお,かずさへ良心が足かせになっている.朋とのであいで少しづつ雪菜のエゴ(かずさを無視する妥協)が前に出てきて,第三者との関係性を意識して良心を痛めている彼女にとっては良い薬であった.朋は別に友達にならなくてもよく,関係を気にしない関係であった.自分が好きであることを確認して,自分のトラウマを解消して初めて付き合うことができる.彼女には一切自身がないわけではないようだが,彼女は石橋を砕くほどに確認しないと気が済まないらしい.
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WHITE ALBUM2 -幸せの向こう側- AQUAPRICE2800 – PS Vita