絵をよりキャッチーでドラマチックにしたい

 世の中はますます広告に溢れ,デザインを作る能力が必要とされているように感じる.しかし,わかりやすい絵には見たものを精神的に前に推し進めるエネルギーが皆目ない.しかしながら絵に描いてあることが全くなんのことか分かってもらえなければ,絵にあるエネルギーを生かすことができない.それを良とするか否かはおいておくことにして,できないこととできるけどやらないは別問題である.であるから何かしら伝えるためのフォーマットを持っているといざという時に便利であろう.

 絵を描くとき,よほどの理由でもない限り描くことに目的意識が存在しているはずである.目的意識を明確に伝えたいとき,そしてそれをよりドラマチックに描きたいのであるならばフォーカルポイントを活用するべきだ.デザインの技術を学んでおくことも良いだろう.

フォーカルポイントとは

 焦点.ここでは,絵の主題として扱うことにする.

その使い方

 構図的に収束する場所に置く,明暗のコントラスト(差)で示す,環で囲むなどが主に使われる手法である.いずれかを利用すればおおむねフォーカルポイントとして機能するが,重複させるとより効果が強まる.構図を利用するとより生き生きとした意味が伝わるような印象がある.また意味を全体から感じる絵の一体感のようなものが感じられる.構図的手法は等分割,ラバットメントライン,黄金比,水平線などの活用を意識するとよりカジュアルに扱えるかもしれない.明暗のコントラストで示す場合,コントラストが大きいほどに全体に対して浮遊感が大きくなることを意識すると自分が書きたいものにより近づけることができるかもしれない.また意図しない限りは,副題の有しているコントラストよりも主題は大きくあるべきである.環で囲む場合はオプションであると思っておくとよいだろう.過去の系譜から良くも悪くも神々しさを感じてしまう.さりげなく周りが環になっている場合や,ぼんやりと環で囲ってある場合はあるいは軽減されるかもしれない.

必要性

 最も強みを感じる部分は構図がまとまりやすくなることだ.私は絵を描く前に絵のストーリーを言葉に起こしてから書くようにしている.ストーリーを切り取ったものを描くというより主題に対して周りがどうであるかを描くようにしている.つまり,順序や序列を位置関係などからつけることができるので自分なりの答えが必然的に導きだされる.答えのわからないものと対峙することも大事ではあるのだが,時間との兼ね合いでどうしても答えを出す必要がある場合に大変役に立つ.書き込みの量の順位付けをあらかじめ明確にしておくことで全体的な描きこみ具合を軽減することができる.また,書き込みの量から見るべき場所・見せたい場所を誘導することもできる.加えて,不必要な書き込みはどうしても時間を取ってしまうため,迷いなく書きこみを断念することができるため重宝している.

効果

 主題に目線が向かうようにし,主題から絵を眺めていくことで意図したようなストーリーを伝えることができる.ある程度練習は必要になるだろうが,時間的制約のもとでの見通しのある制作を行うことができる.そのため要求されたレベルに最も近づけることができる.また時間の根源的な不足を指摘することもできる.多くの人がこれを用いて制作を行っているので,ある程度使い方がわかると,自分自身が他人の絵を読むための助けにもなる.

副題との対比

 フォーカルポイントを取り入れるにあたって重要なのが副題である.副題もフォーカルポイントに含まれる.ただし,主題と比較して目立ち方はそれ以下である.主題と副題の対比はその絵の示しているもののおおよその検討をつけさせる効果を持っている.主題から副題に向かう流れこそがドラマチックさを演出すると考えている.

関連書籍

絵を見る技術 名画の構造を読み解く

デザイン入門教室[特別講義] 確かな力を身に付けられる ~学び、考え、作る授業~ (Design &IDEA)

投稿者: beefst

機械工学,クリエイターをしています.読書も好きです.

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。