作品の推薦手順【関心を与える方法】

 誰かと作品を共有したいと思うことがあると思う。しかし、その作品が良いのだと言っても、相手はそれを見ていないため理解できない。そういったときに重要となることは誇張(デフォルメ)をすることである。では、どのような部分を抜きだし、誇張すれば、作品のおいしさを損なうことなく関心を植え付けることができるのだろうか。そんなフレームワークです。

①あなたにとって価値のあるものであると認識させる
 その作品をみることでどのような変化が起きるか?あなた自身の言葉・全体(ネット評価など)の言葉を使い分けながら伝える。まずは全体の評価から伝えると良いだろう。全体的な評価はよくも悪くも作品のあらゆる要素を加味した評価になる。それは相手にとって安心感を得るためには十分な理由である。あなた自身の言葉で伝える意味は、少しディテールに踏み込んだ評価を下すことができるところにある。ここでは相手のことをよく知っていることが重要になる。相手のことを知らないと相手が欲しいと思っている情報を伝えることが難しくなる。相手をよく知ることで、相手の痒い場所だけを掻いてあげるのだ。
 その作品の価値を比較しながら伝えていく。「作品Aの○○と比較すると劣っているが、××では優っている」構文は非常に有効な手段の一つである。作品を紹介するときに不利になる箇所を紹介することは避けるべきであるが、いい部分を引き立てるために使うのであればいい手段である。人間は無意識のうちにその作品との比較対象を仮説して考えている。そのため不確かな認識のまま比較を行い、価値を誤解してしまうかもしれない。先回りして比較対象をこちらから用意することで認識をより深く正しく掘り込むことができる。ここでもやはり相手のことをよく知っておく必要がある。ここで用意する比較対象は、当然相手の知っているものでないと意味をなさない。また、その比較対象が相手にとって価値のあるものであればあるほど期待感を煽ることができる。例えば、本の帯に見る推薦や、本内での推薦に効果を感じた体験があるだろう。比較によって期待感を煽ることは重要なことなのである。
 その作品を見ることでどのような問題を解決することができるか?その作品を手に取る動機づけをする必要がある。時間は有限である。自分の見せたい作品を相手に見せる行為は時間を奪う行為である。それが価値のあるものであれば時間を奪われることにも価値があることになる。問題解決も同様に相手がどのようなことを悩み考え、要求しているのかを知る必要がある。その悩みを解決することができるという旨を伝えると、作品は相手にとってみる価値のあるものとなる。
 その作品が相手にとって価値のないものを強制してはいけない。価値のないものを強制したところで、相手がその作品を見たときに下す評価が良いものになるとは言えないだろう。良いと思ってもらえるものを紹介することに真の価値があるのだ。とはいっても相手にとって価値にならないがどうしても見せたい場合もあるだろう。そのような場合は価値をシフトしよう。最も価値のある部分はあえて伏せておき、手放しでも価値のある部分を強調する。つまり外側の魅力を伝えるのだ。例えば、アクション・感動・萌えなどである。最初は外側の魅力で入ったとしても作品を読み進めるうちに結末への期待感が煽られ、それが慣性となり、最後まで読み進めることができるのだ。つまり、真に価値のあるものを紹介するときは、相手をどのように入口に導入するかが重要となる。
 その作品が見せたいという熱量は最後まで伏せる。最後まで伏せることでコントラストがつき、後述するように真の効果を発揮する。相手は作品の価値を知りたいのであって、あなた自身の熱量には興味がないのだ。
 何度も繰り返して作品を薦める。たとえ一度紹介して失敗してもめげる必要はない。何度も紹介することで相手も徐々に関心を抱くだろう。積読に見られる効果と似たようなものである。相手がいつでも作品を見ることができる状況であるとは限らない。相手がその作品を享受できる状況で正しく紹介すれば、相手はその作品に興味を抱くことだろう。また、何度も紹介することはある一定期間だけの体験ではないと約束することを意味する。それも相手にとって価値のあることである。

②その作品をそれたらしめる特異点をピックアップし、デフォルメして伝える。
 その作品のおいしさ・芸術性はなにか?絵であれば、美麗である、緻密である、洗練されたデザインであるといったよくある言い回しから導入しよう。それらから相手の反応性が良い部分をより深く紹介する形をとると良いだろう。質問を返されたり、深く頷いていたり、声量が大きくなることなどがサインである。何度も繰り返すようだが、相手にとって価値のあるものを見極め、そこを攻めるのである。
その作品を多少間違ったデフォルメをしても観終わったあとにはそのようなことは忘れている。デフォルメを多少大胆に行ったとしても、相手はそれを気にはしないだろう。なぜなら読了後の相手にとって重要なことは作品のメッセージが良かったかそうでないかなのである。見る前と見た後の相手は別の状態であることに注意を払う必要があるのだ。
 その作品の作者の人物像のイメージを伝える。(普段作品視聴を行わない層などに対して)作品の特異性が伝わりにくい場合、著名人・身近な人でたとえてみるのもいい手法だろう。「Aさんをさらに○○したような人物が作った」や「過去に××していた人物が作った作品」などのストーリーを伝えることは斬新さを期待させるのに十分な理由である。ここでは、相手の精神により身近な人物像をピックアップすることでより強い共感を抱かせることができる。例えば、職歴・相手の過去で似た体験をしている・同じ趣味などである。

③最後はアフターケア・熱量で押し切る
 ①・②は下準備でしかない。その作品を見るために必要な条件をクリアするためにはどうしても熱量が必要である。であるから、どのようにすればその作品にたどり着くことができるかをアフターケアすることは非常に重要である。その旨を伝えるだけでも作品世界に入るための難易度は小さくなる。作品に入ることができたならば、後は自分で勝手に読み進めるだろう。
 その作品を見ることの価値を十分に理解させたら、いままで隠していた熱量を放出する。それが触媒となる。また、見てほしいという熱量はアティチュードとして相手に捉えられ、今までの発言が真実であったと相手に伝わる。逆に言うと、熱量はアティチュードであり作品の魅力を伝える要素として不純物である。そのため、作品の魅力を伝える際には伏せておくことが重要なのである。

参考

売れる会社のすごい仕組み~明日から使えるマーケティング戦略

THIS IS MARKETING ディスイズマーケティング 市場を動かす

投稿者: beefst

機械工学,クリエイターをしています.読書も好きです.

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