目指すべきクリエイター像は何か(後)

前:目指すべきクリエイター像は何か(前)

 顧客のためのクリエイターであるが、だれを顧客にするかは自分で定めることができる。しかし、だからと言って自分の好きなことをやればいいというわけでもない。まず、自分が得意な分野に属していそうなXを仮定しよう。そののニーズを明らかにしていき、至れり尽くせりと言わんばかりに彼らをもてなすプランを立てよう。そのときにXがいかに具体的でないかを知ることができ、そして設定したXに対するアプローチはXの近傍に対してヒットする。人間の性格は何種類かでパターン化されているのだ。

●顧客のニーズ
①共感
②3大欲求
③怒り、シニカル
④知性
⑤話題・流行(憧れ)
 ニーズに情熱を加えるかどうかは疑問である。情熱は前提条件のように思う。
 いずれの場合においても顧客の欲求を刺激し、顧客を行動にシフトさせる。
 いずれの場合も本質的に情報の欲求である。
 欲の大きさと理性の大きさでマトリックスを作るとまとまりが良い。
 欲求を煽った後の行動の規定をすることでクリエイターが望む変化が得られる期待値が大きくなる。アフターケアまで整っている丁寧な制作ともいえるだろうか。

●注目するべき顧客の種類
ネオフェリア:新しいものに価値を感じ、探求・伝える人
アーリーアダプター:新しいものに価値を感じ、伝える人
 これらの顧客を集めるためには何をするべきかを考える。また、これらの顧客を手放さないようにすること。つまり、忘れさせないように認知化行動をとること。

●集客
 客は自分が欲しいものを理解していない。ニーズは理解していないが、評価は的確なものである。セグメントが一致していなかった場合と一致していたが効果的でなかった場合が考えられる。後者のみを選択し懇意に接客しなくてはならない。
 セグメントで集めろ。つまり、セグメントによって作品を規定する。それにより作品に深みを与えるための制限を作り出すことができる。また、作品とセグメントの不一致による顧客不満足を防ぐ効果を期待できる。

●顧客の流れはどうやって作るか
 欲求を刺激して行動させること。そこから手綱を引いて誘導すること。まず売れるものを見つけることから始めること。そのうえで選択肢を広げるようにコンテンツを増やすと良い。

●顧客のセグメントは何で定めるか。
①情報の供給元(インターフェース)
②パッケージデザイン
③内容(メッセージ)
 上記のうちの2点を重点的に取り組むべきである。③はケースバイケースで考える。
 まず、ターゲットがどのようにして情報を集めているのかの実態を知り、それに則したインターフェースを見極めることが必要とされる。それに則さないものを選択すると効果測定がうまく機能しない。
 次にデザインだ。ターゲットが普段見ている、あるいはターゲットが見たいと思っているデザインをする必要がある。どのようなデザインが必要とされているかはマスマーケティングから知ることができる。例えば、映画のデザインなどは参考にするべきである。ここで重要なのは、そのデザインに対して不満を抱いている層が本質的に何を不満に思っているのかを見極めることである。そのデザインで満足している層はおなかが満たされているような状態であり、そこにセグメントを引くことは不毛な行為である。
 内容は初めのうちはセグメントとしての機能を持たない。なぜなら購買するまで商品の実態を知ることができないからだ。体験版や、利用した顧客によるブランディングによって機能する。懇意にしてくれる顧客にテスターになってもらう施策もよいだろう。

●情報のインターフェース
 情報媒体ごとに対策を打ち出す。情報媒体のニーズを知り、それに合わせる。
 広告は最終手段。現代は広告の効用は金銭に比例しないものとなっている。広告の妥当性を考える。
 口コミを促す。そのためにも親睦を深める。現代は口コミによる熱狂による花火のような盛り上がりが一般的である。素早く流行すると素早く廃れてしまうが、ネットワーク効果は認知化戦略として知っておくべき項目である。また、第三者によるブランディングは信頼を獲得しやすいことにも由来する。
 ブログは認知化戦略。それ以外の効用も当然あるが、これのために行うことが健全で生産的に感じる。

●デザイン
 デザインに取り組むことはセグメントを規定することである。
 デザインに取り組むうえで重要なことは「分かりやすさ」ではない。もちろん、特定のセグメントに対してわかりやすくする必要はある。それ以上に「どのような」デザインが「なぜ」必要とされているかを明らかにすることが必要とされている。それを見た顧客がどのような問題を連想するかを考えなくてはならない。つまり、本質的にデザインはメッセージへシフトさせるための欲求を刺激しているのである。デザインのケーススタディーにおいては、「なぜ」・「どのような」効果を狙って作成されたのかを理解しなくてはならない。
 効果的なデザインを作成するためには効果測定を欠かしてはならない。効果測定はどの段階で顧客が脱落(興味を失った)かを知ることである。そうすることでデザインの問題点の大きな箇所を明らかにすることができる。テスターの選択にも慎重になること。テスターにより発生するバイアスを理解することで思った通りの効果を獲得することができる。

●自分の作りたいものを作り、認められるタイミングはいつなのか?
①自分自身が幅広いセグメントを獲得しているとき。
②自分の作りたいものが顧客のセグメントに一致しているとき。
③自分自身が顧客のニーズとなっているとき。
 常に顧客のためのクリエイターであるが、状況によっては自分のための創作を許される場合があるだろう。少なくとも自分自身のセグメントを獲得しているのであるから。

●クリエイターはどのようにして金銭(生きるための手立て)を集めるべきか?
①コンテンツの販売
②サブスクリプションでの販売
③支援型
 昨今はネットビジネスの発達によってクリエイターの売り出し方が変化してきていた。しかし、コンテンツの販売方法は長い目で見てより適切な方法を選択しなければならない。「より強い共犯関係」を目標にして、お互いに幸せになれる方法を目指すべきである。
 ①は昔から行われている方法であるが、それだけに一番本質的な方法であると確信している。販売はお金(感謝)を媒介に期待を買う。それが満たされなかったとしても期待が外れただけなのである。当然、期待に応える努力はするべきである。しかし、ここで注目するべきなのは顧客がものを買うことに対して学習することにある。そうすることで然るべきセグメントに向かうことができるのだ。
 ②は定額支払い制度である。欲求を安く大きく満たすことに魅力があり、クリエイターの収入が安定するため互いに共犯関係を結ぶことであると言えるだろう。ここで注意するべきことは、欲求が安く満たされ続けることによって価値感覚が麻痺することにある。それをどれほど問題視するかは、その人次第であろう。
 ③の支援型はチップ制度のことである。チップ制度は、感謝の大きさを自由に表現してもらうことで欲求を満たす。ここで注意するべきことは、顧客に変化がないことである。もちろん、変化に対する感謝としてのチップは①のようにとることもできる。そのため変化がないとして言い切ることは暴力的である。ここで注意したいことは、変化のない顧客を次のステージにシフトさせる義務があることである。つまり次はどこに向かうべきであるかを示さなくてはならない。

価値とは移動である。

参考

THIS IS MARKETING ディスイズマーケティング 市場を動かす

確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力 (角川書店単行本)

売れる会社のすごい仕組み~明日から使えるマーケティング戦略

入門 信頼性―技術者がはじめて学ぶ

投稿者: beefst

機械工学,クリエイターをしています.読書も好きです.

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