読書の秋だ。読書週間だ。
というわけで今年読んだ本の中でも特に面白かった本を3つピックアップして簡単にレビューする。好評なら定期的にやろうと思う。アマゾンで買っていただけると、読書のサイクルが周り、より面白い本を探す資金となるので良ければ読んでみてください。
全員を戦力にする人財育成術 離職を防ぎ、成長をうながす「仕組み」を作る
タイトルの通り、次世代的でとても実践的な人材育成を学ぶことができる。人材育成を知ることは自分自身の勉強のクオリティを上げることにもつながる。だから購入した。
この本を執筆した有本均さんは、マクドナルドのアルバイトからたたき上げでハンバーガー大学の学長、その後にユニクロ大学の部門長になった人だ。であるから、現場をよく知っている。現場をよく知っているから、アルバイトや社員がいかに気まぐれであるかをよく知っている。そしてそれを解決する方法などを語っている。また、士気の上げ方をどうするべきかについても語っている。士気を上げることはインプットの質の向上に影響していることを理解しているからである。実社会においてそのまま適応させることは難しいものだが(アルバイトとはわけが違う場合が多い)、かいつまんで使ったとしても使えそうなネタが詰まっている。現代の教育の問題点は目まぐるしい変化に教育機関が対応しきれないことにあるので、そのような状態からの打開策を知るためにも一度読む価値はある。
クライマックスまで誘い込む絵作りの秘訣 ストーリーを語る人のための必須常識:明暗、構図、リズム、フレーミング
この本はイラストのスキルの向上のためだけに買ったのだが、映像の技術に悩んでいる人にもお勧めできる本だ。この本の良いところは、決して挿絵に甘えない高い言語化能力とその言葉を裏付ける質の高いイラスト群である。イラストはすべてモノクロで描かれているが、どれも迫力や臨場感に優れており、それらがなぜそのように見えているかを作者は知っている。そしてそれを簡潔に伝えてくれる。より実践的な理論や、実践的な表現を高い圧縮率でまとめている。だから本を読むのが苦手な人であったとしても、絵本の感覚で理論をキャッチすることができる。そして、魅力的なキャラクターの作成までカバーしてくれる。これ一冊を読むだけで漫画表現の基礎的な部分を理解することができると言っても過言ではない。
この本は古くて(初版は昭和60年)、とても有名な本なので紹介するまでもないかもしれないが、その質の高さを現代においても保っていることに驚かされたので紹介する。これは戦略についてまとめられた本である。戦略と言っても色々あるが、その色々を全て解決するような内容の濃さと説得力が詰まっている。戦略についての本は読み漁ったのでおおよそ理解したつもりでいたが、正直一度読んだだけだとさっぱり理解しきれない。その理由というのも実務そのものであるからだ。多くの戦略の本は意図的に多くの方から支援されるためにわかりやすく、より理論に近くして応用を効かせることができるようにしてある。例えば、マトリックスやフレームワークがそれにあたる。この本においては仮想の問題に対してどのように取り組んでいき・どう考えるべきかのディティールを伝えてくれる。ある種のOJT体験である。合わせて「やりたいことは全部やれ! (講談社文庫)」を読むと、筆者の大前研一という人物像を追うことができて面白い。