FAを使用した楽曲制作フローについて

 私はRolandのFA-08を使って楽曲制作をしています。ファクトリーオートメーションではなく、ワークステーション型のキーボードのFAです。簡単に説明すると、FAでは演奏はもちろん、音作り、シーケンサ機能、サンプラー、エフェクト、インターフェイス機能までもあります。これはほんの一例で、他にも細かい機能はいろいろあるのですが、機能過多で正直持て余します。それでいて、お手頃な価格なので一家に一台は欲しいですね。FAを買うことで、自分の音楽活動にとって必要なもの、不必要なものを明らかにすることができます。一方で、FAでの楽曲制作には激しい得意不得意があります。それを含め説明していきます。

Roland – JP

Roland ローランド/FA-06【ソフトケース付】61鍵盤ワークステーション

 FAで楽曲制作することで嬉しいことは、シングルタスクであることです。パソコンで作業をするとどうしてもTwitterに妨害されてしまうので、強制的にシングルタスクの環境に自分を置くことができることは私にとって大きなメリットの1つです。次に、動作が軽いことがあります。DAW上で幾つも音源を立ち上げると重い、フリーズ、DAWが落ちるなどといったことが起こりえます。しかし、FA上での作業は本当に快適です。ただし、MIDIのノート量が増えるにつれて重たくなるため、5分以上の曲は向いていません。

フロー

フロー図

 FAとプラグイン(スタンドアロン)で音色を作りWAV化、DAW上で混ぜる。といった流れになっています。

 FA上ではまず、ドラム譜とメロディーラインを作り、それをもとにアレンジしていきます。アレンジは極限まで詰めすぎないように意識してください。後工程で戻ってきますので、その時の方が冷静であり効率的です。FA内でのアレンジを行う際、EQ・空間系・ノートのディティールまで若干作り込みます。料理で下味をつけるような感覚です。ドラム譜・メロディーラインはMIDI化、その他のバッキングをWAV化してFAの行程は終了します。

 MIDI化したノートはスタンドアロンのアプリケーションで仕上げます。ドラム譜はSuperior Drummer3に、メロディーラインはCeVIO AI・VOCALOID 4 Editorで作り込みます。これがFAを使うメリットの一つでもあります。打ち込んだノートをより上質なものに変換することができます。つまり、仮歌の時点である程度良いものが出来たら、最終的にかなり良いものになります。といってもFA内の音色もかなりレベルが高いので、生音にこだわりがない人はこのメリットはあまり関係ないかもしれません。まあ、拡張性があるということを認識してもらえるといいと思います。これに関して付け加えると、FAの音色にはいくつか苦手項目があります。それはエレキギター・管楽器です。私はその欠陥を後で知ったためにエレキギターを購入しました。エレキギターでも、強い歪みの音色はまだ問題ないのですが、クランチサウンドやクリーンは正直使い物にならないです。ただ、そもそもギターはMIDIと音色で再現しようとすることが愚かな行為だったりします。管楽器は全体的に音色が渋いです。まあ、ミドルプライスなので仕方ないのですが。ほかにも打鍵楽器以外は全体的に今一つな物は多いですが、まだ戦えるラインのように感じます(ただしバリエーションが乏しい)。後に述べますが、プラグインで音色を強化できるのである程度は無視できます。

TOONTRACK トゥーントラック ソフト音源 SUPERIOR DRUMMER 3 ソフトウェア・ドラム音源

テクノスピーチ CeVIO AI 結月ゆかり 麗 ソングスターター

VOCALOID ( ボーカロイド・ボカロ ) 公式サイト

 次に、DAW上での作業に移ります。DAWでは、制作したWAVを混ぜるだけです。ここでは、行程を戻ることが重要なポイントの一つとなります。ミキシングをする過程で、ダイナミクスの上下感や、アレンジの細かい変更をしたくなることがあります。そう感じたら変更部分のメモを取り、ミキシングがある程度煮詰まってきたら再度FAやアプリケーションに戻り、WAVを再度書き出します。この時、元のファイルと同じ場所に保存すると、DAWを起動したときにWAVが更新された状態で立ち上がります。ミキシングの時には素材の音源に空間系・歪み・フィルターなどを刺します。というのも、FAは複雑なエフェクトがかかったサウンドを作ることができないためです。しかし、これらのプラグインは無料で上質なものがたくさん転がっているので、セールを逃さないようにゆにばすさん(@universe_ex)のツイートを監視しておくといいと思います。とりわけ、9~12月はブラックフライデーのセールが活発に行われており、そのシーズンだけは私もフォローしています。また、paypalの用意もお忘れなく。有料のプラグインでも、良いものはいくらか挙げられますが私はOzoneがお気に入りです(なお無料版)。ミキシングが終わったら、最後にOUTPUTにオゾンを刺して微調整し、完成です。

IQ3でもわかるミキシング【EQ・音作り】

ゆにばす(Computer Music Japan/Synth Sonic)さん (@universe_ex) / Twitter

PayPal(ペイパル) – かんたん&安全なオンライン決済サービス

iZotope Ozone9 ダウンロード版 【アイゾトープ】 (Advanced UPG版 from paid versions of Ozone Elements (v7-9))

投稿者: beefst

機械工学,クリエイターをしています.読書も好きです.

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