現在、子供に勉強を教えることを仕事としてやらせていただいています。厳密には、勉強の楽しさを知ってもらう、勉強のやり方をもっと効率的にするにはどうすればいいか、問題を解くときの考え方などを教えています。そこで得た知見を小出しにしながら紹介していこうと思います。
前回
前回、子供の能力発掘と能力開発を行うべきだと書きました。では、どのようにそれを行っていくのかについてを書きます。
能力発掘について
能力発掘によって子供の持っている特殊な個性を見出します。能力発掘をするためには、前提として一般人がどのようなことをどれくらいできるかについてある程度知っておく必要があります。それほど高い水準で知る必要はないと思いますが、本人にとって当たり前だと思っていることを当たり前ではないと気づかせることが能力発掘の本質ですので、高い水準でできるに越したことはないでしょう。大きな視点を持つために代表的な哲学書を読み漁っておくと良いかと思います。
能力そのものに特殊性を要求する必要はないです。特殊性を追求しすぎるといつまでも特別な能力を発見できないため、行動プラン(能力開発)に移ることができなくなります。些細なことに気付くことができるように、とにかく子供を観察しましょう。特別なものを観察していると、親がどのように育てて、どのように教育してきたかがなんとなく伝わります。それが特殊性として表れますので、そのように観察すると良いと思います。
能力開発について
能力開発によって、子供の個性を伸ばしたり、弱点を補います。能力開発を行うにあたって注意すべきことは、ハードの強化を可能な限りソフトで行うべきということです。つまり、勉強として教えるのではなく、体験を通して伝える方が良いということです。実際に両方やってみたのですが、勉強として教えても伝わりますが、体験の方が圧倒的に楽しんでくれているように見えます。楽しんでもらうことが目的ではありませんが、楽しくないと続きませんしね。また、体験の方が双方のコミュニケーションが豊かになる(体験の中で考えたことについて問うことができたり、より本音が現れやすい)のでさらなる能力発掘が可能になります。
加えて、以下に幾つかの注意点について書いておきます。
ソフト(演習)では伝えることができないハード(理論)を伝えたい場合、解くことができない問題を与え、それの解決策としてハード(理論)を与えるのが良いでしょう。そうでないと、聴いている側はちんぷんかんぷんですし、手順が逆である場合、納得こそしてもらえますが、吸収が悪い。
興味を持っているかどうかは集中しているかどうかで見分けることができる。興味を持っていない、持たない場合は①方法・内容を変えるか、②興味を煽るかで対処できます。興味を煽っても興味を持たない場合は内容を変えましょう。
理解のできていない場合は止まって、具体例を出すなりして、ゆっくり説明しましょう。また、自分自身で理解のできないコンテンツはハードに近く、良いコンテンツとはいいがたいので、修正すべきでしょう。また、子供はそもそも単語を理解できていない場合があるので、難しい単語を使う場合は逐一確認を取る方が良いでしょう。優しく言い換えるのもよいかと思いますが、僕は言い換えず、言葉の説明をする方法を取っています。
実際
現在実際に行っている演習はコンセプトをクリアするための思考と、適切な言葉で説明するにはどうすればよいかについてです。A4のプリントの表半分に導入と理論を記し、10分程度で説明したのちに、残り半分に書いてある問いかけとそれについての回答を記述してもらう。問いかけのレベルはかなり高く設定してあります。それによって理論の説明を聞くことへの興味を煽ることができました。
以下に実際に制作・使用したファイルのサンプルを置いておきます。
次回は子供の飢えについて書こうと思います。
「塾バイトの知見2 子供に与えるプログラムについて」への1件のフィードバック