視聴を切る理由になるもの

 最近、趣味が変わり始めている。いままでお気に入りだったものが色褪せ、退屈に思うようになっている。アニメも漏れることなく、当てはまっている。正確には、アニメで表現されることの多いコンテンツがあまり好みではなくなった。そして、最近はアニメを切る本数が多くなった。今期は近年まれにみる豊作だったので、なんだかんだで7本くらい見ているが、この先見る量は減っていくと思う。

で、アニメを見てて、面白さと、好き嫌いは案外別物なのだと思い始めた。面白さは技術的問題、好き嫌いはジャンルに由来するもの(例えば思想とか文化とか)が関わっている。

面白さの技術的問題は、ある程度は見逃せるけれど、あまりにも稚拙だと見れない。作家と視聴者の間の信頼関係を築く必要がある。僕は信頼関係を築いた作品の、稚拙な表現を見逃すことが多い。それくらい信頼関係は重要。

僕はどこで信頼するのかというと、キャラの良さ、シナリオを描く技術力・表現力、主張の3つ。

 キャラの良さは新規性と境遇で評価している。新規性は言うまでもなく必要。それが主人公ならなおさら。全て新規性を追求するのは不可能だとは思うけれど、5分ほど喋って、それでも何か引っかかるものがなければ、その主人公の作品を見ない.。セリフは言わせるものではなく、自然と発するもの。そうやって作れば引っかかるものは少なからずあるはず。境遇は、かなり大事。環境が人を作るということもあるけれど、キャラを取り囲む環境が悪いとドラマになりやすい。主人公の感情の変化をわかりやすく書きたければ、こういう状況から考えるのが良いと思う。話が重たくなるが。信頼関係を作ることができたのならば、丁寧に、ゆっくりと変化を書くのも良いと思う。

 シナリオを描くとき、技術だけでは面白い作品にはならない。シナリオはひな形(フォーマット)でしかない……。表現力のない作品は見ない。つまり、料理が上手になっても素材がダメならおいしくならないように、いい素材を使わないとダメ。良い素材は思いがけない場所にある。金を惜しまず、直接足を動かし、メモをとり、本を読んで勉強する。多分それしかない。
 最近思うのが、ドラマがない(少ない)シナリオを見かけるということ。いいセリフ、いい展開そういった技術はノウハウが蓄積されて、質は上がっているように見える。でも、脇役が立ってなかったり、セリフが出来合いのものだったりする。実生活で、いろんなタイプの人と喋って。批判されるような人間性を描こう。それが、ドラマなのではなかろうか。人を描くとき、綺麗な部分だけを描いても張りぼてになる。小説ないしドキュメンタリーはそういうものにフューチャーしてることが多いから、面白いのだけれど、漫画原作はどうしても今一つ足りない感じが否めない。出版社の方向性とかそういう作家以外の力があるから仕方ないのだろうけど。漫画原作は、絵で表現しようとしてしまうところがある。それは非常に良いことなのだが、セリフをおざなりにしてよい理由にはならない。また、独り言が多すぎる。アニメ化を目指すのならば、漫画だけで成立する技術は捨てた方がいい。まあ、金を出さずに見てるアニメに期待しすぎている自分が悪いと、反省している。

 主張を避けるジャンルがあるのはさておき、主張のない物語は基本的に退屈。主張は、作家の原動力だと思う。言葉にできない主張を描くために、それを見てもらいたいという気持ちがあるために、ドラマをより面白くしようとお節介になれる。お金のためにやる、これしかないからやる、のような経緯で作られた作品は思っている以上にバレるものだと思った方がいい。そういう作品は上手だが、面白くないと思うことが多い。というか、その態度の作品は見たいと思わない。評価するときはそういうのは切り離すけど。また、その主張の独自性が、作家の視点、世界観に直結すると思うので、主張は慎重に剪定した方がいい。

5分で見たいと思わせる(少なくとも視聴切りされない)主人公ってなんだろう?

 それがわかればコンクールで通ってるはずだが、僕の中では、餅巾着のような主人公は惹かれる。外見も魅力的だが、本質が中に詰まっているとわかるような主人公。外見は性格。性格がめんどくさかったり、人間臭いのが好き。中に詰まってるものは、それと真逆だったり、物語を通して少しづつ変化したり、しなかったりして、噛み応えがある。そういう主人公の作品は大体面白い。最近は外面が凝った主人公は沢山見るけれど中身の書き方が説明臭かったりする。中身は見せ場以外説明してはいけない、と思う。その一挙手一投足に本質を込めないといけない。

 境遇をはじめとして、主人公に向き不向きは明確に存在する。それに逆張りするコンセプトで描かれたワールドトリガーという作品があるのだが、主人公が弱すぎるせいで(しかも論理性を重視しているので)、主人公がキャバクラの客みたいにちやほやされることになる。こういうコンセプトありきの作品は割と好き。普通の主人公ならもっと面白くできるだろ、って突っ込みを入れたくもなるが。

時間ごとに超えるべき壁がある

5分でキャラが魅力的であることを示さねばならない

20分でテーマや世界観を示さねばならない

60分で心を完全に掴まねばならない(劇的なシーンを作らねばならない)

 これが、僕の感じている良いドラマの傾向。例えば、まどか☆マギカは言うまでもない名作ですが、はじめの5分で家族構成がわかり(まあ、結局お話とほとんど関わりがありませんが)、OPで主人公が明るいキャラ、ポップな作品であると感じる。10分で友達関係が、わかり、謎の少女(ほむら)が出てきます。20分で主要人物がおおむね登場し、世界観が明らかになります(ポップな印象からすでに一度裏切られていますね)。60分で、……例のアレですね。

投稿者: beefst

機械工学,クリエイターをしています.読書も好きです.

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。