Terroir制作備忘録/拍子の解釈の拡張ついて

制作レポート

 今回の楽曲はアンケとって、ジャズフュージョンがいいとのことだったので、そんな感じでつくりました。で、次のアルバムの内容が定まってきたので、それにもマッチするようにしつつ内容を選定しました。Terroirというのは地域と自分との結びつきを大事にする精神性、地域に起因する個性があるといった考え方(ワイン用語)といった意味合い。ゆかりさんのボイロが映す作家の個性はまさにワインのようだったりする。

 ワインからいろいろ連想を膨らませて音を作っていったらかなりチル感が強いミキシングになったけど、今回は良い感じのミキシングにできたと思う。

 ジャズフュージョン要素はかなり表層的なものかもしれない。ジャズスタンダードを聞いたりしてましたが、そんなにくみ取れなかったね。結局それっぽさは定型文と移調くらいでしょうか。しかし、個性は鬼のように詰め込んであります。導入以外すべて普通じゃないので、そういう意識を持って聞いていただけると面白いと思います。

 イラストはかなり突貫。納期とモチベのせいです。あとギターも突貫。認識できるレベルの音ズレが出てしまってますが、納期の関係で妥協しました。すいません。

拍子の解釈の拡張について

今回の曲は変拍子ですが、リズム開発から行いました。もちろん、基本的な拍子から様子がおかしいですが、応用的なモノも入れてみました。

 変拍子にはグルーブの転換や緊張をつくる作用が基本としてあり、挿入型・転拍子・拍子内拍子が一般的に使われるものですね。挿入型は一回程度拍子を変更する(緊張を与える)、転拍子はグルーブの転換、拍子内変拍子はその両方が当てはまりますね(緊張緩和の文脈の方を感じることが多いですが)。

 で、今回は更に解釈を拡張することにしました。まず、丸め拍子というものがあります。比較的使われるものは15/16≒16/16です(シンコペーションを上手に使って丸めています)。6連符を5連符に代理するパターンもよく聞きますね。これがベースの考え方で、丸めの作用を速度記号として解釈しました。つまり、丸め前を拍子を基本とし、そこから丸めた変拍子を速度記号のように挿入するということです。実際に使ってみたところ、速度が落ちるというより、浮遊感のある、ハネのリズムとして成立しました。楽曲でいうと、イントロ(2週目・3週目)とサビ前で使っています。個性的なリズムにもなるので、興味のある方はぜひ試してみてください。

 現代音楽、とりわけ商業音楽では一定のリズムの制約である場合が多いです。一定のリズムの中でも揺らぎを無理やり作りだそうとするのは楽しいものですよ。

 今回の曲、先月投稿した曲である、「22」で使用した新しい機材についてもまとめました。

投稿者: beefst

機械工学,クリエイターをしています.読書も好きです.

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