2022夏アニメを振り返る【ネタバレ配慮】

↓前回↓

 シャインポストの終了が遅くなった都合で書きはじめるタイミングを失って、投稿が遅くなってしまいました。もう話を忘れつつありますが、今回も感想を共有していこうと思います。点数はおすすめ度です。

100点:歴史的に残るアニメ

90点台:多くの人にお勧めできるアニメ

80点台:やや人を選ぶアニメ(好みじゃない人が見たとしても楽しめる)

70点台:好きな人は好き

60点台:普通におもしろいけど、良くも悪くも平凡

60点以下:私は好きじゃないかも

全体的な感想

 夏アニメは近年稀にみる豊作のシーズンだと思いました。ダンまち、オバロ、よう実などのラノベ原作の続編モノ、リコリス・リコイル、シャインポストのようなオリジナルのダークホース。シャドーハウス、メイドインアビスなどの安定感のある作品など、一週間毎日を楽しく過ごすことができました。夏シーズンで一番印象の強い作品はやはりリコリス・リコイルでしょうか。一話完結ものがトレンドになりやすい傾向があると感じています。区切りがあると話題にしやすいですし、一話一話感想を述べることが容易なので、そういう背景があるかと思います。

オーバーロードIV

95点

 今期は予算が十分に確保できたのだと思います。すべてが高水準で、アニメとして非常に良いものだと思いました。オーバーロードは3期のあるシーンの3DCGで多くの視聴者をがっかりさせた部分がありました(当方は気になりませんでしたが)。ですが、4期で3DCGが非常に良くなった印象があります(実際は撮影と、動きの改善が大きいかな)。オーバーロードで使われているCGは数・規模の大きさゆえに雑な配置、コピーアンドペーストが目立つことが多かったのですが、今回はそれを感じさせないように作られていると思いました。相当反省したのかな……。

 OP、ED良い……。毎話OPを飛ばさなかったし、飛ばせないOP。キャラの多いアニメなのでほぼ新キャラ紹介OPですが、各キャラの良さや性格がわかる様になっていて、王道で良いOPだと思います。また、OxTのサウンドの良さがすごい。ぺちぺち音永遠に聴いていられる。

 そしてなによりも脚本が天才的。原作に対する尺は正直足りていないはずなのですが、要点をばっちり押さえて、キャラのおいしいところや話題性のある部分は省かずに描写している。また、ト書きが優秀なのか、言葉ではなく、描写で原作を圧縮しているように思える。「ディティールを見たいならば、原作を買ってね」と言っているように感じさせる、商業アニメとして100点の脚本だと思う。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 新章 迷宮篇

90点

 ダンまちは話を重ねるごとに面白くなっていると思う。主人公のベルは一貫して自分のキャパを越えたレベルに挑戦しているガンギマリ系。最初は主人公よりも周りが強い状況でそのような性格を発揮しており、「負けられない」を原動力に行動していました。話を重ねるにつれて徐々に周囲よりも自分の方が強くなってきており、この四期では「仲間のため」を原動力に動くことが多くなったと思います。

 ダンまちの魅力は主人公の成長にあると思いますが、それ以上に群像劇的としての面白さを感じることができます。特に4期では主人公頼みのメンバーが主人公が居なくなった時にどのような行動をとるかを見ることができます。非常にひやひやする場面でしたし、そのときのキャラの動きは非常に良かったです。

 今シーズンは非常に面白かった一方で前座的だよね、と思います。というのも、今期は分割クールの前半であり、それのための前準備だからです(以下のPVは4期のネタバレを含むので注意)。なので話は解決しません。そういった理由で90点。

リコリス・リコイル

90点

 放送前から期待度高めではありましたが、まさかの大バズりアニメとなった。ディストピア×日常というありそうであったかもしれないギリギリラインのジャンル。ディストピア大好きなのでワイはとても嬉しい。まあ、ディストピア要素は終盤までほぼ無く、平和な日常アニメですね。

 日常アニメと一線を画す部分があるのかと言うと決してないのですが、評価すべきポイントはセリフの良さと、それに声を当てる演者さんの良さです。原作があるアニメだとどうしても原作者さんのイメージ、また全体を本読みして出来上がるキャラのイメージがあるため、アドリブの幅が狭まるのだと思います。対してこれはオリジナルアニメのため、キャラに柔軟性があるというか、生ものっぽさを出すことに成功しています。主人公のたきなは融通が利かないクール系美少女なのですが、途中から愛の重いヒロインにチェンジしていきます。一貫性がないと言えばそれまでなのですが、年齢が低く・視野が狭いという条件を踏まえると視野が広がって、融通が利くようになったと思えるため、それなりに自然な変化なのだろうと思いました。

 あと、喫茶店なのに完全に居酒屋の雰囲気なの結構好き。こういうとってつけた設定を活かしきれてないというか、はじめから活かすつもりがないのは嫌いじゃない。

 終盤はシリアスな描写が多くなります。日常パートとのメリハリがあり、またキャラのセリフが良く、思想がはっきりと描かれており、カジュアルながら描きたいものをしっかり描いている……そういうバランス感覚のいいシナリオだと思いました。

シャドーハウス 2nd Season

85点

 ホラー/ミステリー/成長物語で安定感のある作品です。シャドーハウスは設定の非人道さが良く、描写が丁寧な印象があります。キャラがどのようなことを考えていて、どのような目的をもって行動しているかが明示されることが多く(重要な部分は明示しませんが)、見やすいです。この舞台には沢山の謎があるのですが、丁寧に謎を明らかにしていく。サスペンスではない謎は物語を見たい、って思わせるので良いですね。でもこういう謎を作るのってただの会話劇と比較して難度が高いため(ストックや知識が必要)、取り組む作家さんは少ない印象があります。なので見る人が見たら使い古されているのかもしれませんが、新鮮な作品だと感じました。

 2ndシーズンはサブキャラの過去に焦点が当たり、物語の立体感がより一層強くなり、過去を視点に舞台設定の謎が少しづつ明らかになっていきます。作家さんはかなり手練れですよね。上級テクニックをポンポンと惜しみなく使い物語を盛り上げていきます。新キャラも沢山登場し、彼らも主人公たち同様に極端な性格が搭載されています。張りぼてにならないぐらいの絶妙なバランスが保たれていることを付け加えておきます。なんでこんな性格の人ばっかなんやろなー……。

シャインポスト

75点

 解散を阻止するために大舞台を客で埋めるまでを描くアイドルアニメ。主人公はアイドルアニメにありがちなプロデューサー。普通のプロデューサーと異なる点があるとすれば、嘘を嘘と見抜くことができる能力を持っているということ。しかし、この設定は途中から忘れられたかのように描かれなくなっていく。その能力を生かした脚本であったかと言うとそんなこともない。まあそれは置いておくとして、アイドル達の個性がそれぞれ良いと思いました。ただ、あまりにも使い古されている属性であるとは思います。そんな中でも微妙な違いは出せていたと思います。このシナリオは短期間の出来事ゆえに、自分の弱さに向き合うというよりは、元々持っているポテンシャルを出せるようになるようになるためのメンタル面の変化を描いています(実際に所属している事務所のトップは実力を認めて売り出そうとしているわけだし)。別にそれでも面白いのでい良いけど、陳腐なのでもう少し違いが欲しい。

 この作品の面白い部分は顔芸と悪ふざけの多いセリフだと思います。書いていて思ったが、完全に古のギャルゲーのそれじゃん。ま、個人的に好きだったし面白かったです。

ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season

65点

 よう実は俺TUEEEの勉強版。低予算で頑張っているのはわかるのだけれど、雑の領域に片足を突っ込んでしまっていると思う。会話劇だし、作画にどうこう言うのは違うとは思うけど、もう少し頑張ってほしかった(ケンカシーンは非常に良かったのでまあ……)。それ以上に脚本はどうしたの。なにがやりたいのかわからん。頭脳戦が売りだと思うのだけれど、それすら雑。確かに原作を圧縮することは難しいと思うけれど、全部中途半端にするくらいならいっそ必要性の低い部分を完全にスキップして後で回想を使って補完するとかさ……。でも、なんだかんだ最後まで見た。

 点数の大部分は今後の改善に対する期待と、OP・EDの曲の良さに対して付けました。

メイドインアビスは最後まで見れてないので追いかけで見ます。見たら感想を追加します。

投稿者: beefst

機械工学,クリエイターをしています.読書も好きです.

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