曲について
今回の楽曲はカルチャー3部作の3つ目の作品です。カルチャー3部作はワインを飲んだ時に着想を得たTerroirから始まりました。そこでは、あらゆる作品に宿っている人となりに面白さを求める作品であるのに対し、エリクサーでは圧倒的な理想への固執、そしてIDEAL ICONで追求するべきもの理想形ではなく自分自身ではないか?と推移していきます。そして「自分自身に向き合う」ということは秋のM3で発表するアルバムのテーマでもあります。
今回のスタイルはイントロのチックコリアっぽいテーマを作ってそこから発展させて作っていきました。楽しくてついついノイズまみれの音楽を作っちゃう。でも芯にあるものはジャズと思われるもので、そこにfutureの要素を加えることでfuture_jazzを作ろうと思いました。最近Sungazerというアーティストが好きで、それっぽいものを目指そうと思ったからです。しかし、寄せることすらままならなかった。そのSungazerの作った作品はfuture以前に拍子がおかしい音楽・チェンジアップを活用したフレーズが多くみられ、Jazz単品であったとしてもおそらくいい曲群なんだと思う。なので途中からほどほどに割り切って自分の好きなものと、特徴的なリズムをソナタさせてモチーフを発展させていき、イントロに回帰する曲です。お気にいりのポイントは、2回目のサビ後の転調後の最後の部分はイントロのテーマをなぞりながらキーが戻っていくところ(歌詞でいうところの「未練のないように前にすすむ」の部分)。二回目サビ後の転調ははっきり言って無理のある転調だと思いますが、最後のつなぎのお陰で急に説得力が出てくるのおもしろい。
絵について

宗教画のイメージで質感を大事にしつつ作りました。割とイメージしていた絵のレベルに近いものが作れてよかったと思います。お絵描きAIっぽい絵だな、と思いはじめたらそうとしか思えなくなりましたが、ちゃんと手で書いています。目を手で隠していますが、盲目や現実逃避の意味を込めたつもりはなく、こちらから顔を認識することができない、そう見えるようなポーズを取らせたらこうなりました。はじめは見えていたはずの理想が見えなくなったりするのは虚しさを感じる(いままで感動的においしいと思っていたものを食べた時にそうでもないと感じた時と同じ)。そういう絵です。
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